自衛隊員と聞くと国家公務員だから安定している、高給取りだと思われがち。会社員の場合、年齢が上がると給料も上がるのが一般的です。階級制の自衛隊の場合、年齢は給料に関係あるのでしょうか?気になる自衛隊の給料事情について深堀りしていきます!
自衛隊の給料の計算方法って?
自衛隊の給料は、一般職の国家公務員とは別の計算方法で「防衛省の職員の給与等に関する法律」という法律により、棒給といって基本給のようなものが決まっており、そこに手当などが加算され計算されます。この棒給は階級によって異なります。入隊方法により、入隊時の階級や年齢にバラつきのある自衛隊では、年齢で給料が変わるというよりも階級で給料が変わると考えたほうがわかりやすいです。とんとん拍子に昇級していけば年齢が上がるにつれ階級が上がりますが、階級を上げるには数年かかりますので、20代30代の頃は一般の会社員に比べ給料が安い場合もあります。
階級別の棒給
士階級
2等陸士~陸士長へと昇級していきます。棒給は約167,000~242,000円です。一般曹候補生として入隊した隊員は、新隊員教育を経て2等陸士に任官されます。2等陸士から1等陸士へは9か月で、1等陸士から陸士長へは1年で自動的に昇級しますので、この期間はとんとん拍子に昇級することが出来ます。この調子で昇級していけるかと思いきや、士階級の間は任期制なので次項の曹階級に上がれなければ自衛官として勤続することはできません。
曹階級
3等陸曹~曹長へと昇級していきます。棒給は約197,000~424,000円です。そもそも曹階級になるためには、所属部隊で「陸曹候補生選抜試験」に合格し、「陸曹候補生」となり、師団や旅団で実施される半年間の教育を経て3等陸曹になるところからスタートです。3等陸曹から2等陸曹・1等陸曹・曹長への昇級は、教育期間の成績・勤続年数・功績をもとに決まるので、昇級スピードや棒給に差が出てきます。自衛隊の中で1番人数が多いのが曹階級です。一般曹候補生として入隊した隊員のほとんどは、曹長で定年退職を迎えます。
尉階級
准尉~1尉へと昇級していきます。棒給は約236,000~445,000円です。幹部候補生として入隊した隊員は、入隊当初から尉階級に任官されます。尉階級以上が自衛隊では「幹部」と呼ばれており、部隊の指揮・統制を任される階級です。若い隊員だと22歳の大学卒業と同時に尉階級になるため、任される仕事量や責任を考慮すると一般の会社員に比べ棒給が安いように思ってしまいます…。
年齢は給料に関係ない?
入隊方法により入隊時の階級や年齢にバラつきがあるため、一概に「何歳でいくらもらえる」が言えないのが自衛隊の給料事情ですが、棒給に勤続年数や功績により「号棒」と言うものが加味されます。同一階級でも棒給の金額に開きがあるのはこのためです。勤続していれば年齢とともに号棒があがるので、年齢が上がる=給料が上がるとも言えますが、号棒での昇級は年に1度で1回1,000円程ですので、やはり昇給のためには昇級するのが近道です!
自衛隊の給料まとめ
同い年でも給料の金額に差があり、年齢よりも階級が給料に関係する自衛隊。若くても階級が上がれば給料が上がる世界です。そこで、昇級スピードを上げるために重要なのがズバリ「教育期間の成績」です!自衛隊では節目ごとに教育を受けなければならず、そこでの成績で後々の昇級スピードが決まります。教育期間は遠距離になったり連絡が取れなかったり寂しい思いをすることも多いですが、今後の隊員人生のために本当に大切な期間です。寂しい気持ちはグッとこらえてサポートしましょう!
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